脳外科 resident notes

若手脳外科医による(基本的に)脳外科レジデントのためのブログ。病気のことや手術のことについて語ります。

血管内治療のX線防護衣について

 

番外編。余談です。

 

血管内治療や脳血管造影をする時に着るあの鉛の防護衣、暑いですよね。

重いし、通気性は一切ないので、長時間の治療の後だとスクラブが汗で変色しているなんてこともしばしばあろうかと思います。

 

実は、ご存じの方も多いかと思いますが、ファン付きのX線防護衣というのが存在します。

 

以前いた施設に置いてあり、最初に使った時は感動しました。長時間着ていても全然汗をかかない!

ファンやバッテリーの分、全体の重さとしては重くなっているのですが、そんなデメリットは全く気にならない快適さです。

 

ところが、次に異動した施設では、ファン付き防護衣がありませんでした。(というかない方が大多数ですよねきっと)

久しぶりに通常の防護衣で治療をすると案の定汗びっしょり。不快です。

 

ファン付きの快適さに慣れた結果、ファンなしでは血管内治療ができない身体になってしまっていました。

 

耐えきれず、個人でファン付き防護衣を買おうかと思いましたが、なんと18万円ぐらいします(空調システム付きX線防護衣でググってみてください)

 

高すぎるし、異動の度にそれを持っていくのも嵩張るし嫌だ、何か手はないものかと考えた結果、良いものを見つけました。

 

 

それが空調ベストです。

前からワークマンとかでそういうものを売っているのは知っていたので、Amazon楽天で探して買ってみました。安かったのでアイリスオーヤマ製のものにしましたが、そこら辺のホームセンターでも別メーカーのものを売っているのを見ました。相場は6000-8000円ぐらいでしょうか。空調システム付きの純正防護衣とは比べ物にならないぐらい安いし、持ち運びも楽です。(そりゃ鉛の分の値段がないので安いに決まっているのですが。)

 

 

届いたものを着てみると、確かに涼しい。

ですが、吸気口がflatになっているため、そのまま上から防護衣などを切ると吸気口が塞がれてしまって空気が循環しなくなってしまいます。重たい上に重ね着をしていることになり、より暑くなるという最悪な事態に。

ひと工夫が必要で、要は吸気口をメッシュ状のドームのようなもので覆ってスペースを作ればいい訳なので、自分は百均で見つけたマスクフレーム(こんなものがあるなんて知りませんでした)をいい感じに外側につけて吸気口が塞がれないようにしました。

 

 

これで今は無事快適に血管内治療が行えています。以前使っていたファン付き防護衣と、体感としては遜色ありません。

吸気口塞がれないようにするところがちょっと面倒かもしれませんが、興味のある方はぜひ試してみてください!ありとなしでは全然違いますよ!