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脳外科医の思うこと

20代脳外科レジデントによるブログ。病気のことや手術のことについて語ります。

後頭下筋群の解剖まとめ

現状実際に目にする機会が少ないこともあって時間が経つと忘れがちな後頭下の筋群。

自分用のメモという意味も含めてまとめてみます。

 

 

前提として、出てくる最低限のkey wordを理解しておきましょう。

上項線:superior nuchal line

下項線:inferior nuchal line

乳様突起:mastoid

環椎(C1):atlas

軸椎(C2):axis

棘突起:spinous process

横突起:transverse process

 

 

目の前に立っている人の後頭部があるとして、表層から順にイメージとして3層に分けてみていきます。

 

⓪最表層

<後頭筋:occipitalis muscle>

起始→停止:後頭筋膜→上項線(上側)

支配神経:顔面神経側頭枝(後耳介神経)

・上項線より上?なので臨床的にあまり重要ではないかと思います。支配神経の発達具合でこれを意識的に動かせる人とそうでない人がいるようです。私は動かせます。(頭皮と耳介を手を使わずに動かせる人がいるのはおそらくこの筋肉のせい)

 

 

①表層

僧帽筋:trapezius muscle>

起始→停止:C7~Th12の棘突起・項靭帯・外後頭隆起・最上項線→肩甲棘・肩峰・鎖骨

支配神経:Ⅺ、頸神経C2-3(C1)

・要は上項線あたりからTh12までの正中線を起始として肩甲骨上あたりに収束して停止している、背側から見ると縦に長い菱形を成す筋です。後頚部では薄いので存在感があまりないかもしれません。

 

胸鎖乳突筋:sternocleidomastoid muscle>

起始→停止:胸骨・鎖骨→上項線外側・乳様突起

支配神経:Ⅺ、頸神経C2-3(C1)

・上項線に付いている筋のうち外側表層のもの。そこから前下方に向かってしまうので後頭下開頭では上端の後縁が少し見えるのみです。CEAでもお目にかかるので意外と脳外と縁が深いかもしれません。

 

 

②中間層

頭半棘筋:semispinalis capitis muscle>

起始→停止:C3~Th6辺りの横突起→上項線内側(上項線と下項線の間)

支配神経:頸神経C1-7ぐらい

・上項線に付いている筋のうち内側のもの。僧帽筋より深層。横突起から起始しているので下外側から上内側に収束する感じになるわけですが、後頚部では正中付近をほぼ縦に走っています。後頭下三角の内側を覆っているイメージ。

 

頭板状筋:splenius capitis muscle>

起始→停止:C4~Th3の棘突起→上項線外側・乳様突起(胸鎖乳突筋より深層)

支配神経:頸神経C1-6ぐらい

・上項線に付いている筋のうち外側深層のもの。胸鎖乳突筋の上端を剥がすと出てきて上外側から下内側に、頭半棘筋の外側を走っています。頭最長筋とペアなイメージ。

 

頭最長筋:longissimus capitis muscle>

起始→停止:C5~Th3-5の横突起→乳様突起(頭板状筋より深層)

支配神経:頸神経C1-4ぐらい

・胸鎖乳突筋より深層の頭板状筋よりもさらに深層で、外側(かつ二腹筋窩(:digastric groove)より内側)に付く筋。頭板状筋と共に上外側から下内側に走っており、頭板状筋と共に後頭下三角の外側を覆っているイメージです。

 

 

③深層

<小後頭直筋:rectus capitis posterior minor>

起始→停止:環椎(C1)の後突起→下項線内側

支配神経:頸神経C1

・深層の一番内側、下項線内側とC1後突起を繋いで大後頭孔を守っているイメージ。この後出てくる後頭下三角とは関係ありません。

 

大後頭直筋:rectus capitis posterior major>

起始→停止:軸椎(C2)棘突起→下項線外側

支配神経:頸神経C1

・小後頭直筋外側縁を覆いつつ、それとほぼ平行に走っているイメージ。後頭下三角の内側辺を成す。

 

上頭斜筋:obliquus capitis superior muscle>

起始→停止:環椎(C1)横突起→下項線外側(大後頭直筋よりも外側)

支配神経:頸神経C1

・上内側(下項線外側)から下外側(軸椎横突起)向きに走る筋。後頭下三角の外側上辺を成す。

 

下頭斜筋:obliquus capitis inferior muscle>

起始→停止:軸椎(C2)棘突起→環椎(C1)横突起

支配神経:頸神経C1

・上外側(環椎横突起)から下内側(軸椎棘突起)向きに走る筋。後頭下三角の外側下辺を成す。この三角の中に環椎(C1)の椎弓があり、その直上あたりで環椎横突孔を通って内側に向きを変えた椎骨動脈が触知されます。(その内側下方に頸神経C1も。)

 

 

あとは神経痛の原因になる大後頭神経(頸神経C2の枝)にも触れておくと、下頭斜筋の下縁から出てきて頭半棘筋の深層を上行し、上項線あたりで頭半棘筋、僧帽筋(筋膜)を貫いて皮下に出てきます。 この辺にトリガーポイントのある後頭部痛であれば大後頭神経痛なので、神経ブロックが著効して喜ばれます。

 

 

解剖の話なのに全く図がないという暴挙ですが笑、読んだだけでイメージ出来たならその知識はきっと本物です!(言い訳)

色々なものを参考にして書いてます。 誤りがあったらすいません。

気づいたら直しますし、指摘していただけますとありがたいです。

(ちなみにWikipediaの大きなミスは発見しました笑)