脳外科 resident notes

若手脳外科医による(基本的に)脳外科レジデントのためのブログ。病気のことや手術のことについて語ります。

clipをかける時のコツ①

 

未破裂脳動脈瘤動脈瘤性のくも膜下出血に対して行われる開頭neck clipping術は、動脈瘤にclipをかけて破裂(再破裂)予防をするという言ってしまえば単純な手術ですが、実は実際にclipをかける操作をしている時間というのは、手術全体の時間に占める割合から言うとほんの数~十数%です。

 

つまり、大事なのはclipをかけるまでに至る部分(strategyを立てる段階から)で、そこも含めてネッククリッピング術なのだということは忘れてはいけません。

…という前提を踏まえたうえで、開頭neck clippping術のクライマックスである、実際にclipをかける場面に焦点を当ててみます。

 

 

clipをかける場面に焦点を当てると言いつつ、まずは、本当にかけて良いのかをしつこく確認します。

 

 

ポイントは

・ruptureしたときに対応できるか、つまり母血管が確保できているか、temporary clipが用意されているか、太目の吸引管が用意されているか

特にSAHでは常に考慮すべきことです。

 

・approachルートや周囲の血管の剥離は十分か

無理に脳べらをかけないとclipがかからないような状態は脳に負担がかかり挫傷などの原因となり好ましくありません。clippingやその後の周囲の確認にも無理が生じます。状況に応じてよりdistalや深部を剥離したり、母血管や突っ張っている静脈をよりfreeにして可動性をもたせたりします。脳室ドレナージを置いていれば改めて髄液を抜いてみたり。

 

・domeの剥離は十分か

未破裂では原則domeは完全free、SAHでも裏が確認できない状況ではなるべくdomeを出しにいきます。母血管が確保できていることが前提ですが。

いよいよ核心(rupture point)に迫ったらtemporary clipやtentative clipを用いて一気にdomeの剥離を完遂する方法もあります。

 

・clipの種類は適切か

neckを閉じるのに必要十分な長さで、かつ温存したい血管(分岐血管、穿通枝)を残せるような形状を選びます。手術の計画の段階で目星はつけておき、現場でそれでよいことを確認します。

1本で閉じる場合、長さは原則としてneck径×π×1/2あれば足りるはずです。(domeに直交して挿入可能で、neck部の断面が真円と仮定した場合)

closure lineの原則に従って、適宜弱弯や有窓のclipを選択します。

 

 

以上が問題なければいよいよ本題、実際のapplyの瞬間です。

 

まずどちらの手でclipをかけるか決めます。applierが視野の邪魔にならない方、無理のない方にします。clipを複数個かける計画の場合はその順番も確認。温存すべき血管が確認できていればそれも意識に入れておきます。

 

次に(というか同時に)、視軸の位置を決めます。基本的に右手でapplyするのであれば視軸は左に振り、左手でapplyするのであればその逆とします。(上下もある)

動脈瘤を頂点とした錐体型のworking spaceをイメージして、脳べらの位置も調整し、その裾野をなるべく広く使うイメージです。こうすることで横から見る感じになり、clipの先端が確認しやすくなります。

上手く先端が確認できるような視軸が取れない場合(applierが視軸と被る場合)、バイオネット型のclipを使うのも手です。

 

clipの先端がきちんとproximal neckとdistal neckのspaceに入っていることを確認しながらclipを進めていきます。少し閉じてneckやdomeを圧迫しながら進めると、domeが縮んでさらに視野が良くなります。その状態でdomeを動かしたり、母血管を動かしたりしながらclip先端と周囲を確認しつつclipを閉じます。

過度にdomeを引っ張る方向に力をかけてneckが裂けると大参事なのでそれは避けましょう。基本は母血管に押し付ける方向。でも押し付けすぎた状態でclipを閉じると母血管狭窄・kinkの原因になります。

反対の手は吸引管をもち、domeや母血管を操作して上手くclipがかかるようアシストします。domeの安全な部分を軽く吸引してclipの中に引っ張り込む操作はよくやります。

 

clipを閉じていく際に一番neckにストレスがかかるので、大き目の瘤の場合はtemporary clipで瘤圧を落としておくことも検討します。(より巨大な場合はsuction decompression)

 

clipがかかったらもう少しaggressiveにdomeの裏を確認し、先端が届いていること、穿通枝をかんでいないこと、母血管や分岐する血管がkinkしていないことを確認します。

 

 

この辺で一旦やめて、次回はこの状態からのトラブルシューティングを扱ってみます。

 

 

ではでは。

 

閉頭

 

閉頭に焦点を当ててなかった気がするので閉頭についてtipsを交えながら語ってみたいと思います。

 

とは言え、こちらも例によって施設ごとにかなりやり方に差があるところなので、自分の経験に基づいた話になります。

 

硬膜内の操作が終わり、術者が止血を確認し終わったところから(マイクロを外して)閉頭作業に移ります。

 

 

①硬膜の閉鎖

まずは硬膜を閉じます。

使用する糸としては4-0もしくは5-0を使用することが多いかと思います。

吸収糸・非吸収糸どちらも使用され、縫い方としても単結節もしくは連続どちらもあり得ます。色々なやり方がありますが、要するに髄液が漏れないよう硬膜が閉鎖できればOKです。

単結節縫合で何か所か合わせておいてから非吸収糸で連続縫合、という方法が多いでしょうか。

連続縫合の方が閉鎖力は高くなるし早いです。

髄液漏を起こさないよう、水密(water tight)が目標となります。

最後に硬膜下に水を入れ、明らかな漏れがないことを確認します。(持続的な水漏れがなければ、炎症による治癒過程で接触している組織同士はくっつくので、小さな隙間も最終的に塞がります)

 

開頭時に硬膜が欠損したり、過度に縮んでしまってどうにも寄らなそうな場合は、骨膜もしくは側頭筋筋膜でパッチをあてる部分を考慮した上で位置を考えて縫合します。

パッチをあてる際はin-layとした方が閉鎖力は高くなります。

小孔程度であれば側頭筋筋体などでパックして縫合する方法もあります。

 

フィブリン糊などはあくまで補助的なものであり、おまけ程度に考えておいた方が良いかと思います。

 

あと、これは閉頭全体を通してのコツですが、biteを大きく取り過ぎないことは意外と大事です。

例えばコの字状に切開した硬膜を端から縫うときにbiteを過度に大きく取ると、対側の余裕が減って寄りにくくなります。

また、組織のテンションが高く寄りにくそうな場合、大き目にbiteを取ってしまいがちですが、これも結局寄せる点同士(針の穿通点の距離)が離れるので逆に寄せにくくなることがあります。

かと言って脆弱な組織だとある程度biteを大きくしないと結ぶ段階で千切れてしまうという面もあるのでそこはトレードオフの関係になっています。

 

 water tightについてもう少し言及しておくと、もちろんくも膜が破れていないような手術では髄液は出てこないので、特に髄液漏は問題とはならないはずです。

急性硬膜下血腫で外減圧などする場合、硬膜を切開して減張したのち人工硬膜を用いてゆるく硬膜を縫合することがあるかと思いますが、ここでwater tightは求められません。

テント上、比較的前方の開頭であれば、多少water tightが甘くても仰臥位で寝ているときに髄液の圧がかかりにくいので髄液漏が問題となることは少ないように感じます。(自然に癒着する)

やはり問題となるのは仰臥位で髄液の圧がかかり続ける後頭蓋窩です。しっかりwater tightにしないと皮下に髄液がたまり、髄液漏や髄鼻漏に繋がります。

 

 

②吊り上げ(tenting)

硬膜はもともと骨の内面に癒着していたものであり(厳密には骨と接しているのはperiosteal duraの方)、開頭で剥がしたそれを元の状態に戻すイメージです。

皮下、硬膜外の術後の出血が脳を圧迫するのを予防します。(そもそも止血はしっかりするとして、あくまで予防)

骨縁と骨弁の中心付近に穴をあけて硬膜にかけた糸を通し、硬膜を骨と密着させます。

 

 

③骨弁の固定

ここが一番施設によっていろいろなこだわりがある点でしょうか。

基本的にはチタンプレートなどを用いて周囲の骨と固定します。安定させるため、強度をある程度保証するため原則3か所以上留めます。

burr holeなどの大きなgapはカバーするようにすること、なるべく段差を作らないようにすること、毛髪のない部分(前額部など)はなるべくプレートが出ないように、平坦になるようにします。(皮膚が薄いと目立つ)

どうしても開頭の際にカッターが通った分の隙間が生じるので、極力毛髪の外に出る部分に寄せて隙間をなくし、逆に出来た隙間には骨くずを入れたりします。(骨再生の足場になるらしい…本当だろうか)

時々骨が元の面より落ち込んでしまうことがありますが、その場合はプレートを追加して持ち上げたり、大き目の骨片(リウエルでかじったもの)をくさびのように使ったりします(骨弁の一部を持ち上げた状態で隙間にくさびを挟み込む感じ)

 

 

④側頭筋の再建

側頭筋は縮みやすいですが(特にtwo layer)、縫合する前に最初に用手的に伸ばしておくと少しマシです。

元の解剖を意識しながら筋膜同士を縫合しますが、ここでもbiteは取り過ぎないようにします。3-0の吸収糸を使用することが多いでしょう。

側頭筋の頭側の方で(側頭筋が縮むために)届かなくなることが多いですが、その場合は糸で引っ張るに留めておきます。

糸をかける先は上側頭線上に縫い代として開頭時に残しておいた筋膜断端だったり、すべて剥離していれば骨に穴をあけてそこに縫い付けたりします。(穴は穴開け用のドリルを2方向から入れてトンネルを作る)

 

 

⑤帽状腱膜の縫合

皮弁にかかるテンションが十分に減張出来るぐらいに縫合します。

原則帽状腱膜のみを縫合するようにし、若干皮下組織を取っても良いですが毛根より表層には針を出さないようにします。(脱毛の原因になる)

ここでも帽状腱膜に針を通す際、biteを取り過ぎると、表層が外反して創縁が合わない(脂肪がはみ出す)原因になるので気を付けます。

あと大事なのは皮弁を操作する際に毛根を痛めないことです。有鈎鑷子で皮弁の真皮層のみ(毛根より浅い層)をつまむようにします。

動脈性の出血があれば(開頭時に処理しているはずですが)、適宜止血します。

皮膚の毛細血管からの出血は止めようとすると時間がかかるのと毛根を痛める原因になるので結局さっさと閉じるのが良いと思っています。

 

 

⑥表層の閉鎖

skin staplerを用いることがほとんどでしょう。

とにかく創縁同士がしっかり合うように、鑷子で高さを調整しながら打っていきます。(毛根は摘ままない。)

一見合っているように見えて片方が内反していることが多い(特に耳周り)ので気を付けます。

どうしても合わない場合は皮下縫合がおかしいことがあるのでやり直します。それでもダメなら他の部位のしわ寄せだったりするのである程度長さをとって一部に負荷がかかり過ぎないようにstaplerを打ち直すか、ナイロンなどで縫合しましょう。

 

 

 以上。

初めて外部のcadaverに参加しましたが非常に勉強になりました。

なるべく年1-2回は参加するようにしたいところです。

 

仕事中の装備

 

久々に更新しようと思ったのですが最近忙しくてあまり重いネタを書く気力もないので、軽く普段仕事中に持ち歩いているものなど紹介してみます。

 

 

スマホ

調べものやスケジュール管理、pdfリーダーに教科書や論文も入れられるまさに文明の利器。アプリで電子マネー決済もできる。必須。

 

・財布

薄型のもの。基本コンビニは電子マネー決済なので食堂、自販機用。

 

・腕時計

感染的な意味でおすすめされないことが多いが、やはりあると便利。死亡確認の時にもあった方が良い。

 

PHS

無いと仕事にならない。電話帳はよく使う番号をグループ化。

 

・ボールペン

紛失するため2-3本は常備。これもないと色々な場面で困る。1本はシャチハタ付き。

 

・ペンライト

瞳孔、対光反射みるのに必須。包交時に普通に補助ライトとしても役立つ。

 

・舌圧子

木製の使い捨てのやつを2-3本常備していると意外と役立つ。咽頭の診察にはもちろん必須。

 

・はさみ

これも自分のものを持っていると意外と役立つ。

 

USBメモリ

今の時代必須。データ管理には要注意。

 

・Strokeハンドブック

〇塚製薬がくれる小冊子。胸ポケットに入り、色々なスコアが載っていて便利。t-PAのチェックリスト、NIHSSあたりをよく使う。

 

・手帳

スマホのカレンダーでは当直など管理し、白衣に入れているこの紙の手帳では患者の入院・手術スケジュールなどを管理。院外には決して持ち出さない。

 

・聴診器

白衣のポケットに。呼吸音(上気道狭窄音)、腸蠕動音ぐらいは脳外科医でも聞きたい時はある。急変時、死亡確認の時なども使う。

 

・テープ

突然何かを貼り付けたくなった時にあると便利。

 

・to do list用紙

適当なA4コピー用紙を4つ折りにして使う。仕事に抜けがないように。

 

・ペットボトルのお茶

脱水は明確にパフォーマンス落ちるのでこまめに補液。

 

 

こんなところで、持ち物は脳外科医にしては多い方だと思います。

あと出来れば打腱器も持ち歩きたいところなのですが、キャパ的に限界なので断念しています。

 

以上。

 

 

今後書こうかと思っているネタ備忘録

・interhemispheric approach

・バイパス術者となるための条件

・手術の上達と主体性

・手術と合併症について

 

脳外科医になるべきか迷っている君へ

 

先日コメントを頂き、その内容がいかにも以前の自分の悩みと重なったので、同じようなことで悩んでいる人は多いのかな?と思い1本記事にすることにしました。

 

そのコメントは要約すると

脳外科に興味はあるけど、勤務きつそうだし本当にやっていけるのか自信がない…選んだら後悔するのではないか?

という内容でした。(多少ニュアンスは違うと思いますが)

 

 

かくいう私も研修医2年目まで脳外科か形成外科でかなり迷っていました。

もともと脳に興味があって脳科学の本も良く読んでいたのと(V.S.ラマチャンドラン、池谷裕二のお二方の著書はほぼ読んでます)、どちらかと言うと器用で細かい作業が割に得意な方だったので6年生の頃から脳外科が良いかなとは思っていたものの、「緊急手術が多い」「手術時間が長い」点で果たしてやっていけるのか?という懸念がありました。

 

当時の脳外科に対しては、夜中に呼び出されて緊急でクリッピングをやってたり、AVMで10時間以上(長ければ日付変わるぐらいまで)手術をしていたり、とにかくきついというイメージが強く、そういった環境に適応出来るのかということに関しては全く自信がありませんでした。

 

他にも、同じぐらい「プライベートな時間がほぼ無くなるのではないか」ということを気にしていました。比較的趣味は多い方だったので、休日や夜中に呼び出されるような生活ではそういった趣味の充実などといった余裕のある生活とは縁を切らないといけないのではないか?そんな仕事人間じゃないしそうはなりたくないよなぁ…と思っていました。

 

そんな中、取るのではなく創り上げる外科、歴史は浅いが今後活躍の場が広がりそうな形成外科が魅力的に見えてきました。

当時重篤な疾患に対して積極的に手術適応を拡大して手術をしている科があって、術後の経過があまり芳しくない様子などを実習で見ていると、これは本当に患者にとって良いことしてるのかな…と思ってしまうようなこともありました。その点、形成外科は少なくともQOLを上げることに尽力していて、そこも良いように思えました。もちろん忙しいことはあっても、脳外科に比べればプライベートも保障されそうでした笑 一方で、市中病院の形成外科だとあまりやりがいが無いように思えました(個人的な見解です、大いに反論はあるかと思います)

 

 

結局初期研修期間中に両方とも回ってみて、それで判断することにしました。

 

実際回ってみた結果、

・脳外科の方が生死に関わる場面が多く、ストレスも多いがその分やりがいは大きい

忙しい時期は確かに忙しいが常に忙しい訳ではない

・やはり脳は面白い(自分の本来の興味はやっぱり脳)

・医局の雰囲気が良かった

・同期が多そう(当時)

などから総合的に判断して脳外科に決めました。

 

私はかなり色々情報を集めてから多角的にみて判断を下すタイプなのですが、学生時代から絶対脳外科!と決めている同期がいたり、ノリで脳外科に入ることを決めた同期もいたりで人それぞれですね。そんなに考えすぎなくて良かったのかもとも思いました。

 

 

とにかく勤務がきつ過ぎるのでは…ということを懸念しながら決めた進路ですが、結果的にそこまできつくはありません。(特に過労死することもなく生きてます笑)

 

病院の規模にもよりますが、市中病院では基本緊急手術がメインになるので、来れば忙しいし来なければ本当に暇、という感じになります。

人数が少なくて365日 on call(呼び出しがあれば直ぐ病院にかけつける)という病院もあるかと思いますが、用事があるときは他の人にカバーをお願いしたり、助け合いの精神があればとりあえず何とかなるようになります。

大学病院は診療業務以外の様々な業務があってまた忙しいですが…まあそれは他の科も同じでしょう。市中病院に比べて多彩な手術を行っていますし、逆に人が多い分、offの時は完全にoff(呼び出しもなし)といった利点もあります。

当直は病院によって回数がかなり異なります。他科と比較して脳卒中当直などある分、全体としては多めかと思いますが次第に慣れます。その分給料が他科より高いことが多いです。内科の当直と比べれば寝られる当直の割合は多いかと思います。(関係ないですが「寝られる当直」という単語の存在、医療界の闇ですね)

 

それと、手術時間は全体的な傾向として短くなってきています。手術の方法や技術、血管内治療や放射線治療、サポート機器の進歩もあって、学生時代を思い返しても当時時々あった日付をまたぐような長い手術は滅多に経験しなくなってきています。

 

 

興味があるなら「きつそうだから」という理由で脳外科を避けてしまうのは勿体ないです。「夜中に電話がかかってくるなんてあり得ない、極力当直もしたくない、17時には帰りたい、毎週旅行がしたい」というぐらい仕事よりもプライベート命!ということであれば、それはそういう働き方がしやすい科を選んだ方が良いと思います。

 

 

多少の覚悟は必要ですし、たまに寝不足が続くと辛いと思うこともなくはないですが、仕事量には必ず波があります。忙しい時期はそんなに延々とは続きません。

 

 

それよりなにより、手術が楽しい。これが一番だと思います。

初めはその楽しさが深くは分からないと思いますが、徐々に自分の出来ることが増え、背景となる知識が積み重なってくると、人の手術を見ていても楽しめるようになってきます。上の先生に言われた通り手を動かすだけではなく、手術の計画から実践まで自分で完遂出来るようになって、それが上手くいくと、その達成感は何事にも代えがたいものがあります。

 

学生の頃、麻酔科の実習だったかと思いますが、夜帰ろうとした時に手術室になだれ込んでくる脳外科の医者たちを見て、正直うわぁ…と引いたりもしましたが、実際逆の立場になってみて分かるのは、本人としては「やるぞ!」という意気込みが強いということです。どういう体位、アプローチで、どう手術を完遂させるか、そういったことを考えています。少なくとも私はまだまだ手術をやりたい盛りなので、緊急手術大歓迎です。

(これでも入局当初は緊急手術は嫌いだと思っていたので、人は環境で変わるものです)

 

 

迷っているようであれば、研修で回ってみたり、見学に行って話を聞いたりするのが良いのではないでしょうか。判断材料を増やせばなんとなく見えてくるものもあるかもしれません。

 

最後に、本当にきつかったら辞めれば良いのです。途中で専門を変えたりなんてよくありますし、なんなら(脳外科に限らず)医者をやめて保険会社や製薬会社で勤務している人もいますよ。

 

以上、後期研修医の立場からにはなりますが…

参考になれば幸いです。